アダルトチルドレンについて情報収集している人なら、どこかで見聞きしたことがあるかもしれません。
「心の傷を癒すには、子どもの頃に満たされなかった気持ちを、
大人の自分が満たしてあげること」
でも、そう言われても、実際にどうすればいいのか、わからないと感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、フォロワーさんから届いたご質問にお答えしながら、 心の傷を癒すプロセスについてお話ししていきます。
「癒しって、具体的に何をすればいいの?」と迷ってしまう方にも、 やるべきこと・できることが、見えてくるはずです。
いただいた質問をご紹介しますね。
はじめまして。
ずっと自分の傷に向き合いうことが怖くて避けてきましたが、昨夏の夫婦の衝突をきっかけに向き合いはじめました。
その中でようやく本当にどうして欲しかったという3つの願いまで辿り着きました。
でもその次にどうすればいいかわかりません。
過去の傷は癒やそうとして癒せるわけではなく、次にどうすればよいでしょうか?
ぼくが行き着いた3つの願いは
- ありのままを受け取って欲しかった
- ありのままの願いを応援して欲しかった
- 助けて欲しかった
でした。
主に過干渉な母親からの過剰な関わりと、今となっては気づいていながら何もしなかった父からの傷となります。
「癒したい」と思っていても、 いざその場に立つと、どう動いていいか分からなくなること、ありますよね。
今日は、そこから先のステップを、丁寧にご紹介していきます。
親との関係で傷ついた心を癒す4つのステップ
前提としてお伝えしたいのは、 心の傷を癒すプロセスで大事なのは、 「親にしてもらえなかったこと」などの満たされない気持ちを自分で満たしていく事です。
イメージとしては、大人の自分が、子どもの頃の自分に優しくしてあげる感じです。
思考の自分が、心・感情の自分(つまりどちらも大人)に寄り添ってあげるイメージをした方がいい場合もあります。
自分が“自分のために”してあげる。 そこに、癒しの力があるのです。なので、親が変わらなくても、亡くなっていても、絶縁していても、全く問題はありません。
そのプロセスは、こちらの4つです。
- これまでの感情を“感じてあげる”
- 本当の望みに気づく
- その望みが叶わなかったことを悼(いた)む
- “今”の自分の感情にも共感していく
質問者さんは、②が完了しているようですが、もし①がまだのようでしたら、そちらもぜひ取り組んであげて欲しいです。順番はイメージですので、多少前後してもかまいません。
また、③と④の間に「ゆるし・手放し」が必要な場合もあります。
ステップ1:感情の吐き出し ~感情を「感じてあげる」~
まず大切なのは、これまで感じてきた感情を、しっかりと自分の中で「感じてあげる」こと。
泣いてもいいし、怒ってもいい。
「本当は辛かったんだ」と、 その気持ちに寄り添ってあげる時間を作ります。
1回ではなく、何度も何度も…です。
感情を押し込めるのではなく、 「そこにあったね」と認めてあげることが癒しの第一歩です。
具体的には、恨みつらみの気持ちをノートに書き出したり、安心安全な場所で、恨みつらみの気持ちを誰かに聞いてもらうなどです。
ステップ2:本当の望みに気づく
質問者さんは、ここまでをすでにやってこられた方です。
・ありのままを受け取ってほしかった
・願いを応援してほしかった
・助けてほしかった
こうした“本当の望み”に気づけたことは、 とても大きな意味があります。
自分の内側に眠っていた願いを見つけられた時、 私たちはようやく、癒しの入り口に立てるのです。
ステップ3:その願いが叶わなかったことを悼む
本当の願いに気づいた後にやってほしいこと。
それは、「その願いが叶わなかったこと」を、 今の自分が、子どもの自分と一緒に悲しんであげることです。
「そうだったよね」 「本当は欲しかったんだよね」
誰かに共感されなかった痛みを、 大人のあなたが、ようやく受け止めてあげる時間。
それが、「自分の望みは、自分で満たしていく」 というプロセスの出発点になります。
私たちの潜在意識は、過去と未来、 そして現実とイメージの区別がつかないと言われています。
だからこそ、 「今ここでイメージするだけ」でも、 過去の傷は少しずつ癒されていきます。
やり方は自由自在。頭の中で、その情景を思い浮かべるのが苦手な場合は、寄り添いの言葉を、ノートに書くなども効果があります。
ステップ4:「今の自分」にも共感を
そして最後に、とても大切なことをひとつ。
癒しは過去にだけ向けるものではありません。 「今この瞬間」のあなたの感情にも、 日々、共感してあげることが必要です。
「そう感じてるんだね」 「それだけつらかったんだね」
そんなふうに、自分の気持ちに丁寧に耳を傾ける時間。
これは、癒しがひと段落したあとも、 ずっと続けていってほしいセルフケアの習慣です。
あなたの心の中にある傷に、 優しく、静かに寄り添ってあげてくださいね。