一般的には依存心を悪者にしがちです。
でも、生きづらさをなんとかしようと思ったら、依存心よりも、自立心の方に目を向けた方がいいのです。
私は、大人の生きづらさの原因の大半は「こじらせ自立」だと考えています。
こじらせ自立を制すれば、生きづらさ克服も制す。
今日は、こじらせ自立について概要を説明します。
こじらせ自立って?
こじらせ自立は、カウンセリング業界の業界用語です。
正式な心理学用語ではなく、俗語みたいなものです。
私たちの業界では、悪い意味での自立のことを「ニセ自立」や「こじらせ自立」などと呼びます。
自立にも2種類あって、良い自立と悪い自立があるんです。
心が自立に偏ると、トラブルやストレスが増えてしまいます。
自立するのは良いことなのでは?
本来、自立することは良いことなんです。
ですが、自立も「過ぎる」と、色々問題です。
自立が「過ぎる」と、自分の依存的な部分を嫌うようになります。
依存心を過度に禁止するせいで、極端に人を頼れなくなったり
弱さを出せなくなってしまうのです。
依存心は、なくならない
多くの人は、「依存」を悪いことのように捉えています。
ですが、人は本来、どんなに大人になっても依存心がゼロになることはありません。
依存心と自立心がバランスよくあるのが人として健全なのに
依存心だけを嫌い、禁止するせいで、抑圧された依存心が、色々悪さをしてくるのです。
それが「こじらせ自立」「ニセ自立」です。
依存心を敵にするのはやめよう
カウンセリング業界も一般社会と同じで、問題の原因を依存心と指摘する意見も多いです。
依存心をなくし、自立することで、ストレスが軽くなり、幸せになれる、と。
ただ私は逆だと思っています。
依存的な態度が強くなっている人は、自立し過ぎのせいで、抑圧された気持ちが暴走しているのです。
依存を過度に禁止した結果、抑圧された依存心が表面に出てきているのであって、抑えつけなければ暴走することもなくなります。
依存的な思考を対処したいなら、依存心を悪ものにするより、本来誰にでもあることと認めた方がいいのです。
依存心を適切に満たしていくことで、心がバランスの良い状態になり、生きづらさも解消されていきます。